AI活用術

AIを使って、写真1枚からLINEスタンプ8個を半日で審査に出すまで

うちの愛犬レオンくん(パピヨン)の写真を1枚AIに渡して、LINEスタンプを8個作りました。調べ始めてから審査に出すまで、約4時間でした。

私は絵が描けません。画像編集ソフトもほとんど使えません。それでも作れたので、事例の一つとして残しておきます。

最後に、同じやり方を会社のスタンプに応用する場合の話も書きます。

⚠️ 2026年9月7日現在、審査中です。 この記事は「申請するところまで」の記録で、公開できるかどうかはまだ分かりません。

できたのは、この8個

完成した8個のLINEスタンプ。ありがとう、わかった、おつかれさま、ごめんね、おわった、よろしく、いまむかってる、おやすみ

「ありがとう」「わかった」「おつかれさま」「ごめんね」「おわった」「よろしく」「いまむかってる」「おやすみ」の8種類です。

元になったのは、この写真1枚だけです。

左が元になった愛犬の写真、右がAIが描き起こしたキャラクター

左が写真、右がAIに描き起こしてもらったキャラクターです。この右の絵を「設計図」にして、残りの8枚を描いてもらいました。

手順は、大きく4つ

#やること自分で決めたことAIに任せたこと
1キャラクターを作るどの写真を使うか、どんな絵柄にしたいか写真を見て絵に描き起こす
2セリフとポーズを決める8種類の言葉と、それぞれの表情・しぐさ
38枚を描く出てきた絵の採否1枚ずつ描く
4LINEの規格に合わせる画像を変換するプログラムを書いて実行する

自分で決めたのは、実質2と3の「採否」だけでした。特に4は、細かいピクセル数の話が続くところなので、まるごと任せられたのが大きかったです。

私が使ったのはAIエージェント(AIにパソコンの操作まで任せられる道具)と、画像生成AIの組み合わせです。ただしここは道具を選びません。絵を描けるAIと、簡単なプログラムを書いてくれるAIがあれば、同じことができます。

絵柄を揃えるコツは「最初の1枚を、毎回見せる」

8枚がバラバラの犬に見えてしまうと、スタンプとして成立しません。

これは、手順1で作ったキャラクターの絵を、2枚目以降の生成のたびに毎回「参考画像」として一緒に渡すことで解決しました。「この犬の、こういうポーズを描いて」という頼み方です。

結果、9枚を9分半で生成できて、失敗はゼロでした。1枚あたり約1分です。日本語のセリフも9枚とも崩れませんでした(「いまむかってる」の7文字も正確に出ています)。

そのうち1枚を没にして、8枚に絞りました。

つまずいたのは、絵そのものではありませんでした

絵はあっさり出ました。時間を取られたのは、その前後です。

43分待って、1枚も出てこなかった

最初は「9枚を1枚の画像に並べて一度に出す」やり方を試しました。これが43分走って、画像を1枚も出さないまま固まりました。エラーも出ません。ただ待っているだけです。

原因は、たぶん1回のお願いに条件を詰め込みすぎたことでした。「9つのセリフ、9つのポーズ、レイアウト、絵柄、背景」を全部1回で頼んでいたからです。

1枚ずつ頼む方式に切り替えたら、9枚とも通りました。 欲張らずに小さく分けたほうが速い、という当たり前の話でした。

もう一つ、これはAIを使う道具側の設定の問題だったのですが、選んでいたAIモデルによっては画像生成が一切動かないという状態にも当たりました。エラーメッセージは出るものの、原因の見当がつきにくい形で出ます。うまくいかないときは、頼み方を疑う前にモデルを変えてみるのが早いことがあります。

縮小したら、白いフチが消えていた

スタンプの文字には、読みやすいように白い縁取り(袋文字)を付けます。

これを、AIが出した大きい画像(1254px)の段階で3ピクセル分付けていました。ところがLINEスタンプは370×320ピクセルに縮めて使います。縮めた結果、3ピクセルのフチが0.9ピクセルになり、消えてしまっていました。

付けてから縮めると消える。縮めてから付ければ残る。

直し方はこれだけです。ただ、画面で見ていた時点では「なんとなく文字が読みにくい」としか思えず、原因が数字で分かるまでは気づけませんでした。

LINEスタンプの規格で、先に知っておきたいこと

作り始める前に知っておくと手戻りが減る点を挙げておきます(いずれも LINE Creators Market の公式ページで確認したものです)。

  • スタンプ画像は最大 370×320 ピクセル、背景が透明なPNG。1枚1MB以下
  • 個数は 8・16・24・32・40 のいずれか。9個や10個は選べません
  • 審査をリクエストしたあとは、個数を変更できません。8個で出したものを後から40個には増やせず、増やしたい場合は別のスタンプとして出し直しになります
  • スタンプ本体とは別に、**メイン画像(240×240)とタブ画像(96×74)**が必要です

最初に引っかかったのは「9個で作って」と頼んだところでした。9個は選べません。

お金の話は、正直に書いておきます

作り始める前に、「これは商売になるのか」を調べました。結論はなりませんでした。

公式の説明にこうあります。

AppleやGoogleなどの手数料30%を除いた売上の50%がご登録の口座に振り込まれます。

つまり手取りは売上の**約35%**です。いちばん安い190円で出したとして、1個売れて手元に入るのは約66円。しかも振り込まれるのは、残高が1,000円を超えたうえで、こちらから請求したときです(利用規約 9.2)。

実際に販売した人の記録も、有料コミュニティの会員記事で6件読みました(会員限定の内容なので数字は伏せます)。共通していたのは、直販だけではほとんど売れないということでした。まとまった金額になっていた2例は、どちらも「スタンプを売った」のではなく、元日など需要が跳ねる時期に当てたか、個別のオーダー制作を受けたかのどちらかでした。

もう一つ、意外だった点があります。自分で作ったスタンプを自分のLINEで使うにも、購入が必要です。 販売を開始して、自分で買う。ここまで通して初めて自分のトークで使えます。

なので私は、「自分用に作る。売れたらラッキー」と割り切りました。 そう決めると、売るための工夫(検索されやすいタイトル、SNSでの宣伝、季節イベントからの逆算)を全部やらなくて済みます。今回半日で終わったのは、この割り切りのおかげでもあります。

会社のスタンプも、同じ作り方でできます

ここからが応用です。今回と同じやり方で、会社のキャラクターやロゴを使ったスタンプも作れます。

ただし「宣伝のために無料で配りたい」と考えている場合は、条件を知っておく必要があります。無料配布の仕組みは用意されているのですが、タダで配れるわけではありません。

LINE Creators Market の利用規約の第11条に「LINE PRスタンプサービス」として定められています。

当社は、クリエイターに対して、クリエイターが作成し、当社が既に配布している本コンテンツのうちクリエイターが選択した本コンテンツをクリエイターのプロモーション等のために当社をしてLINEユーザーに無料で配布することができるサービス(以下「LINE PRスタンプサービス」といいます。)を提供します。

押さえておきたいのは次の6点です。

項目内容
費用クリエイター側が利用料を支払う。返金不可
最低量ダウンロード50回分から
前提「既に配布している」ものが対象。先に販売を開始しておく必要がある
配布できる期間支払い完了後、最大365日
受け取った人が使える期間原則90日。ずっと使ってもらえるわけではない
禁止事項配布に関して第三者と有償で取引すること

「無料で配って、ずっと使ってもらう」という絵は描けません。一度は有料で販売開始し、配ったスタンプも3ヶ月で使えなくなる、というのが実際の姿です。

なお、1ダウンロードあたりいくらかかるのかは、規約には書かれていません。「別途当社が定める資料等に従う」とあるだけなので、実際の金額は管理画面で確認する必要があります。ここは私もまだ確認できていません。

まとめ

  • 写真1枚から、AIでLINEスタンプ8個を作って審査に出すところまで、約4時間で終わりました
  • 絵を描く技術は要りませんでした。自分で決めたのは「どんな言葉を入れるか」と「出てきた絵を採用するか」だけです
  • 絵柄を揃えるコツは、最初に作ったキャラクターを毎回見せること
  • 一度に全部を頼まず、1枚ずつ小さく頼むほうが速く終わります
  • 直販は商売になりません。自分用と割り切ると、作業がまるごと減ります
  • 会社の宣伝に使う場合、無料配布はできますが「先に販売開始」「受け取った人は90日」という条件が付きます

ちなみにこの日の作業は、途中まで外出先からスマホで指示を出していました。手を動かす部分をAIに預けられると、作業できる場所も変わります。

「AIに何をどこまで任せられるのか」を考えるとき、こういう小さくて実害のない題材で一度通してみるのは、なかなか良い練習になりました。うまくいかない箇所も、失敗したときのダメージも小さいからです。

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